Motor
//
All News

MotoGP バニャイアがカタルーニャサーキットでついに勝利

公開日: 2024/05/25

‘Que Boigeria’! 予測不可能で目が離せない世界選手権第6戦。MotoGPはこれまで以上の熱狂に包まれた。グランプリは世界で最も熱いモータースポーツ大会であることには違いないが、カタルーニャGP(グラン・プレミ・モンスター・エナジー・デ・カタルーニャ)は、現世界チャンピオン、フランチェスコ・バニャイア(Francesco Bagnaia)と彼のドゥカティ・ファクトリーチームが後れを取り返す試練の場となった。

「何という狂気だ」
予測不可能で目が離せない世界選手権第6戦。MotoGPはこれまで以上の熱狂に包まれた。グランプリは世界で最も熱いモータースポーツ大会であることには違いないが、カタルーニャGP(グラン・プレミ・モンスター・エナジー・デ・カタルーニャ)は、現世界チャンピオン、フランチェスコ・バニャイア(Francesco Bagnaia)と彼のドゥカティ・ファクトリーチームが後れを取り返す試練の場となった。

2022年、バニャイアはターン1でグランプリをリタイア。2023年、第2コーナーでのクラッシュは映像的にはその年最も悲惨な内容であったが、幸いにも彼は重傷を負わず2年連続でタイトルを獲得した。望ましくない転倒は別として、滑りやすいターンが複数ある4.6kmのカタルーニャサーキットで、バニャイアは勝利に縁が無い。ペッコ(Moto3とMoto2レースで勝利し、Moto2ではタイトルも獲得している)はMotoGPで22年シーズン中盤以降、驚異的な勝利記録を残しているが、バルセロナ・カタルーニャサーキットではキャリアを通じて表彰台に手が届いたことがなかった。

2024年5月26日の日曜日、彼は笑顔でこう言うことができた。
 

“I closed the circle.” 「走り切ったよ」

...

カタルーニャの伝統「人間の塔」では、団体やグループで人が集まり、円陣を組んで、お互いの肩の上に立ち、さらに高い塔を組もうと試みる。全国各地のフェスティバルでは、町やクラブ間の競争が熾烈を極める。カタルーニャ人はスポーツで団結する。それは「人間の塔」の例を見ればわかるはずだ。フットボールとモータースポーツ、特にオートバイレースに関しては、スペインとカタルーニャのパッションがプロトタイプバイクに注入される強力な燃料と同じくらい強力にみなぎっている。

カタルーニャGPはいつも太陽が降り注ぐ地中海の雰囲気が溢れている。この大会は初夏の陽気、近くの海の潮の香りに包まれ、バルセロナの町から伝わるパーティームードが感じられる。モンスターエナジーとこの大会の関係は10年におよび、2024年大会では再びスリルと興奮をMotoGPにもたらした。モンスターエナジーコンパウンドのDJセット、フリースタイルディスプレイ、リグ・ライオットは、ファンたちのお祭り気分を盛り上げた。リッキー・カーマイケル(Ricky Carmichael)といったVIPも飛んできた。その他の見どころは、もちろんバイクレーサーたちによるパフォーマンスだ。

...
...
...

25日、バニャイアがスプリントレースで難なくリードしていたとき、このサーキットで運に恵まれて来なかったことは忘れ去ってしまったかのように見えた。しかし、悪名高いターン5で転倒(キャンバードレフトハンダ―)。このファクトリーチームのGP24は3年連続で再びリタイアすることになった。
「100%集中していた。僕は勝ち方を知っている。すべてを完璧にコントロールできたので、勝利は確実だった。ああ、すべてを分析するために1時間ボックス内に留まったよ。なぜなら、転倒の理由がちゃんと理解できないからだ。その場合、すべてを分析したほうがいい。同じブレーキングでゆっくりとコーナーに入るとクラッシュする可能性があるようだ。普通なら、通常のコンディションではこのようなことは起こらない。しかし、ここのグリップレベルはひどいものだから、それが起こる可能性がある。つまり、分析して理解して、この状況ではもっと注意するように心がける必要がある」と彼はレース後にメディアに向けて失望の意を伝えた。

幸運なことに、ペッコには日曜日に24周で行われる決勝でもう一度チャンスがあった。このレースではミディアムリヤタイヤの選択が鍵となった。彼はホルヘ・マルティン(Jorge Martin)とペドロ・アコスタ(Pedro Acosta)に首位争いを任せ、チャンスをうかがっていた。そして、スペイン人のファンたちを黙らせP1に進出したことが功を奏し、今季3勝目を挙げた。「今日は少し待っただけでスピードが戻った。コーナーに入る際に状況を変えることができた。素晴らしいペースだった」と彼は語った。
 

...

「昨日はもの凄く腹が立っていたし、とてもがっかりした。ターン5でフロントを失わないように祈っていたんだ!バルセロナで走り切ったよ」と現在世界選手権ランキングでマルティンに次ぐ2位のペッコは付け加えた。

ドゥカティのチームメイト、ファビオ・ディ・ジャンナントニオ Fabio Di Giannantonio, はバニャイアの2023年バージョンのマシンでシーズンベストの5位に、バルセロナで3度グランプリ勝者となっているファビオ・クアルタラロ Fabio Quartararo はゆっくりと進化しているモンスターエナジー・ヤマハM1で9位という成績を残した。「良いレースだったし、予想していたよりも良かった。5位にあと5秒と迫っていた…我々に何が足りないのかはわかっている」とクアルタラロは語った。

さらに多くの周回、そしてさらなる宿命。そして速さの追求。MotoGP、次の舞台はトスカーナの丘陵とフィレンツェ北部に広がる美しいカーブのムジェロ・サーキット。数日のうちに最高速・時速225マイルの争いが繰り広げられる。