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「X Games California 2023」 日本人モンスターアスリート独占インタビュー

公開日: 2023/07/18

出場する日本人モンスターアスリートたちの大会前独占インタビューを公開中!

現地時間、7月16(日)から7月23日(日)にアメリカ・カリフォルニアで「X Games California 2023」が開催!

「X Games」は、夏と冬の年2回開催されるアクションスポーツの祭典で、世界各国から強豪選手たちが集う世界最高峰の大会だ。

日本人モンスターアスリートからは、スケートボーダーの西村碧莉手塚まみ芝田元、そしてFMXライダーの渡辺元樹が今大会出場する。いよいよ今週末に大会を控えるアスリートたちに独占インタビューを実施。

大会に向けての意気込みや自身の強み、競技の魅力などをそれぞれに語ってもらった。インタビューを下記よりチェック!

 

◆西村碧莉

X Gamesで3度の優勝経験を持つ碧莉は、女子スケートボードストリートに出場!

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ー今大会への出場を決めて、どんな思いですか。

率直に楽しみです。色々なトップスケーターに会えるのも楽しみです。初めて出場する前は、X Gamesといえば本当に夢の舞台でした。今はずっと呼んでもらえていますが、今でも毎回信じられないです。同時にずっと呼んでもらえる、そういう立場として見てもらえているのも嬉しいです。

 

ー今大会の目標はありますでしょうか。

第一として、その場の雰囲気や友達たちとスケートボードを楽しみたいです。加えて、自分のやりたいラインが全部できて、ミス無く乗れればいい感じですね。

 

ー自分の強みや、ここだけは負けたくないというポイントを教えてください。

自分の強みは、分からないですね…。ただ、負けたくない部分でいうと、自分でいうのも何ですが、人から「自分のスケートスタイルがいい」とか「碧莉はカッコいい」って言われるので、その部分ですかね。

 

ー困難にぶつかった時、どうやって乗り越えていますか。

困難にぶつかった状況は、常に不安です。でもひとりで抱え込まず、お姉ちゃんや家族や友達と一緒に滑って、一緒に乗り越えられるように背中を押してもらいます。やっぱり周りの人から「碧莉なら出来るよ」っていう一言は、とても大切だと思いました。前にやっていたこと(トリック)だから、できるって分かっているんですが、自分ひとりでやるのと、家族や友達と一緒にやるのでは大きな違いがありますよね。

 

ースケートボードと向き合うにあたって、大切にしていることはありますか。

 諦めないこと、です。技ひとつ覚えるにしても、海外に行って言葉が通じなくても、諦めなければ何とかなります。自分自身で第一歩を踏み出さないと始まらないです。スケートボードの技だって言語にしても、相手は自分が出来ないことを理解してくれています。そこで諦めない、身を引かないこと。自分なりに表現し続ける、消極的ではなく、積極的になることですね。

 

ースケートボードの良い所はどこだと思いますか。

 スケートボードの良い所は、スポーツっていうよりは、遊びの延長線って感じです。それは、スケートボードには正解も不正解もないことです。個々の特徴、スタイル、個性を出してなんぼなところがあって、それが尊重されます。ルールがないので、あれはしていい、あれはしちゃいけないとかもないので、誰もが楽しめるものです。

 

ー応援してくれる方へのメッセージをお願いします。

 スケートボードを知っている人も知らない人も、スケートボードって面白いなって思う滑りをしますので、応援お願いします!

◆手塚まみ

X Gamesメダルを2度獲得経験があるまみは、女子スケートボード パークに出場!

 

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ー今大会への出場を決めて、どんな思いですか。

 「X Games Chiba 2023」は天候が良くなかったのもありましたが、自分の力を思う存分に発揮できませんでした。今回の「X Games California 2023」は、会場を盛り上げられるように頑張りたいと思います。ベンチュラいえば、カレン・ケープルスらの地元だと聞いていて、まだ私は行ったことのない場所なので、楽しみにしています。

パークの出場選手の半分が日本人って、びっくりですよね。こんなに多くなったのは、たぶんここ2、3年ですかね。コロナ前は2、3人くらいだったと思います。インスタグラムでの日本人スケーターの露出が増えたことやX Gamesが日本で開催されるようになって、女子の間でもスケートボードが身近なものになってきた感じがして、とても素晴らしいことですね。

 

ー今大会の目標はありますでしょうか。

 今回もまた面白そうなコースなので、自分だけにしかできないラインを見つけて面白いことをしたいと思います。

 

ー自分の強みや、ここだけは負けたくないというポイントを教えてください。

 自分の強みは、他の人には真似できないライン取りやスピード、とにかくワッとさせる、見ている人だれもが楽しめる滑りです。

 

ー困難にぶつかった時、どうやって乗り越えていますか。

 困難は全て受け入れています。ただ、スケートボートって難しいんですよね…。

なぜできないのか考えるのも大事だけど、自分でメイクしている姿を想像します。それができたら必ず実現できると思います。常に自分で成功している姿を想像して、それに合わせて身体を動かす。その想像を忘れないで努力すること。これの繰り返しです。

私のやっているスケートボードは、ライン取りの仕方ひとつ、トリックやスポットによって微妙に変わってきます。それをネガティブな方向に向けるのではなく、自分の中でポジティブに切り替えて乗り越えるようにもしています。

 

ースケートボードと向き合うにあたって、大切にしていることはありますか。

 スケートボードがすごく大好きなので、大会を通じてだけではなく、スケートボードのカルチャーや派生する文化も含めて、繋がる人たち、環境も大事にしたいと思っています。

 

ースケートボードの良い所はどこだと思いますか。

 スケートボードを大事にしている人たちと自然に繋がれることです。また、スケートボードから広がる可能性も魅力のひとつです。スケートボードだけに孤立すると世界は小さくなりますが、カルチャーやライフスタイルとして繋がる仲間たちは無限にいると思います。ふとした瞬間、世界は広いんだけど、世界は近いなって感じたりもします。スケートボードは、私の人生を豊かにしてくれて、自分に自信を与えてくれます。

 

ー応援してくれる方へのメッセージをお願いします。

 「X Games Chiba 2023」でもそうでしたが、色々な方の応援が自分のパフォーマンスに繋がります。今回もファンの方を楽しませられるような滑りをしますので、ご期待ください!

◆芝田元

今年5月に日本で開催された 「X Games Chiba 2023」の男子スケートボード バートベストトリックで見事銀メダルを獲得した元。今大会は男子 スケートボード バート と 男子 スケートボード バート ベストトリックに出場する!

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 ー今大会への出場を決めて、どんな思いですか。

 先月アメリカで開催した「Vert Alert」という大会が今回の「X Games California 2023」の選考予選となり、スケートボードのバートが新しい形式になりました。そこでは、「自信はあるけど、どうなんやろう」と若干ドキドキもありました。結果、ラン 2位、ベストトリック1位になり、「X Games California 2023」行きの切符も手にすることができたので、今大会も結構楽しみにしてます。

 

ー今大会の目標はありますでしょうか。

ランとベストトリックの両方で優勝したいです。両種目とも自分が一番やりたいことで魅せられたらと思っています。「Vert Alert」は、40分間のジャムセッション形式で「全体評価」だったのに対し、「X Games」は、「3本のランから評価」なので、1本30秒間のランをどうまとめるか考えています。自分は、毎年新しいルーティーンにしていて、新しい技を入れたりしています。実は、5月の「X Games Chiba 2023」では、やりたかったルーティーンが出来なくて悔しい思いをしていたのですが、「Vert Alert」では少し良い感触がありました。今回は、前大会のランにプラスして、得意としている技を入れたり、新しい見え方にして一緒に滑っているライダーやジャッジ、観客、ファンを沸かしたいですね。

 

ー自分の強みや、ここだけは負けたくないというポイントを教えてください。

 自分らしい見せ方ができるのでインポッシブルやゲイツイストのマドンナ、キックフリップのマックツイストなどのトリック、特にエア系トリックでは自分自身が縦軸に回転する技が自分の強みだと思います。本当はオールドスクールの技が好みで、それが自分らしい動きなのであまり変えたくはないんですけど、大会になると難易度の高い技を披露しないとジャッジは点数をくれません。だからといって、得点のことだけを考えたランは好きじゃないです。なので、大会では、ランの中に自分らしさと高難易度の技を混ぜ合わせる楽しみがあって、それが刺激になっています。自分なりに考えた末、フリップのマックツイストが生まれました。

 

ー困難にぶつかった時、どうやって乗り越えていますか。

 良いも悪いも、起きたことはありのまま受け入れて、次が大事と思っています。その困難を乗り越えるには、自信を持って、楽しむことが大切だと思っています。

 

ースケートボードと向き合うにあたって、大切にしていることはありますか。

 スケートボードに対してピュアであり続けること、です。モンスターエナジーをはじめスポンサーや自分をサポートしてくれる方に囲まれて、スケートボードが自分のライフスタイルの中心になっていることに感謝しています。この年になっても子供の頃から変わらない感覚で居続けられて、とても嬉しいです。先輩レジェンドスケーターたちやトニー・ホーク、クリスチャン・ホソイには負けるかもしれませんが、彼らのようにいつまでも心の底からスケートボードと向き合いたいですし、常に初心でいたいです。

 

ースケートボードの良い所はどこだと思いますか。

 先日とある外国人の家族から「スケートボードを人生のキャリアとして良いのか?」と尋ねられました。自分は、スケートボードを通じて、自分より年上の方との交流が増えたり、中にはプロの方や大企業の社長さんだったり、目上の人とお会いしたりお話をさせていただく機会が増えました。そこから、敬意を払うことや謙虚になること、言葉遣いや立ち振舞など自分なりに学んでいます。同年代スケーターたちとは、仲間として楽しくセッションしたり、大会ではライバルとしてバチバチやり合ったりしています。結果的に、スケートボードを通じて、人と接するという部分やパフォーマンスの部分では忍耐や喜びを感じたりしますし、常に自分で考えなければいけないので、良い所が多いと思います。

 

ー応援してくれる方へのメッセージをお願いします。

 自分の活動を見てくれる皆さんに自分も励まされて、次の大会のモチベーションに繋げています!引き続き、見てもらえると嬉しいです!

◆渡辺元樹

6回目のX Games出場を決める元樹。MotoX ベストウィップに出場!

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ー今大会への出場を決めて、どんな思いですか。

 2015年に「Speed & Style」というMoto Xの種目に初めて出場させてもらってから、X Gamesのモトエックス ベストウィップには、2018年、2019年、2021年、2022年、2023年と5年連続、6回目の出場になります(*2020年実施無し)。連続出場させてもらって、常連になってきた感じもして、素直に嬉しいです。X Games という大舞台にテンションも上がっています!

 

ー今大会の目標はありますでしょうか。

 ここ2年間は、あと一歩の4位という結果が続き、メダルが取れて無いです。今回は、表彰台目指して頑張りたいです!

 

ー自分の強みや、ここだけは負けたくないというポイントを教えてください。

 僕は、2つの得意な技を持っています。1つ目は、いわゆるウィップ。これは、シートに座ったままの状態で頭が下になるようにバイクを振るトリックです。2つ目はターンダウンというバイクを引き上げるようにして振り落とすトリックです。ベストウィップでは、もちろんウィップが王道なんですが、僕のキラートリックでもあるターンダウンで今回の勝負を掛けたいと思っています。

ジャッジ次第ですが、着地の時にバイクがちゃんと真っ直ぐに戻っているか、飛び過ぎていないかなど気にしなといけません。

去年開催されたアクセル・ホッジスの会場より今回のベンチュラは、規模がデカくないので、個人的には妥当に戦えると考えています。雰囲気に飲み込まれないようにかつ自分のジャンプができれば、いけるかなと思います。

 

ー困難にぶつかった時、どうやって乗り越えていますか。

 10年以上やっていても調子が良い時もあれば、そうで無いスランプの時もあって、かなり波があります。「なんであかんやったんやろ」って、まずは素直に受け止めてますね。ついこないだ東野(貴行)くんとも話していました。

スランプに入ったら、自分の場合、バイクの練習を3日間くらいあけて、海沿いに行ったり、FMXのことすら考えるのやめて、自分がまたバイク乗りたい欲を高ぶらせるようにしています。あえて買い物だったり、スケートボードなど違うことをして切り替えます。

 

ーFMXと向き合うにあたって、大切にしていることはありますか。

 フリースタイルは危険なスポーツでありながらも、自分はそれを仕事にさせてもらっているので、体調面ではかなり気をつけています。

技もいっぱいあって楽しく乗っている時は、身体もいい動きになります。その時は楽しむことを大切にして、考えすぎないようにします。大会前は特に体力面や精神面を気にしながらですが、乗れる時はできるだけ多く乗ります。練習量は大事です。

そういう意味では、東野(貴行)くんや(釘村)孝太くんを本当に尊敬しています。コンテストやショーの期間が空いても自身のモチベーションをキープして、いつでも最高のパフォーマンスをする準備ができているライダーだからです。めっちゃバイクとフリースタイルが好きなんやなって思っていて、見習うところばかりです。

 

ーFMXの良い所はどこだと思いますか。

3つくらいありますね。モンスターのファンの方でバイクが好きな方も、フリースタイルを観たことのない方でも、一度見れば迫力のあるスポーツだと感じてもらえることですね。10年以上継続していますが、飛んでいる自分でさえも楽しく感じています。

それと、自分自身を進化させてくれるからですね。FMXが色々な世界に連れて行ってくれます。例えば、昔FMXのビデオに登場していたスーパースターのトゥィッチに憧れて、いつか渡米して本場アメリカのフィールドで乗ってみたいと思っていました。東野(貴行)くんをはじめ先輩ライダーが切り開いてくれたことが自分の後押しにもなり、自分の活動を理解してくれるモンスターエナジーや多くのスポンサー企業やサポートしてくれる周囲の仲間に恵まれて、今アメリカをベースに活動することができています。トゥィッチのように憧れのスーパースターと一緒にライドしたり、スケートボード界のレジェンド、スティーブ・キャバレロと一緒にセッションしたり、自分でも驚くことばかりです。

最後に永遠のゴールを追い求めることができることですね。自分の限界を超えたい、海外に行きたい、と思って東野(貴行)くんに憧れて、自分は彼の後ろにいました。ここ数年でようやく自分の歩むべき道や探求すべきことなど方向性が定まってきました。FMXにおいては、それがウィップです。X Gamesで、メダルは獲得しましたが、まだゴールドはないです。それを追いかけるのも一つですし、続けている限りウィップをマスターしたいです。

 

ー応援してくれる方へのメッセージをお願いします。

いつも応援ありがとうございます。日本では自分のFMXを披露する機会があまりありませんが、アメリカを拠点に頑張っています。

モンスターエナジーが好きなファンなら分かってもらえると思いますが、ライダーのパフォーマンスのみならず、そのライダーのライフスタイルにも注目してもらいたいですね。あと、渡辺元樹から「誰にでもチャンスがある。少しの勇気さえあれば、できるんだよ。挑戦。やる気。勇気。夢。希望」を感じてもらえたら嬉しいです。引き続き応援よろしくお願いします!

◆西村碧莉 プロフィール

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出場種目:女子スケートボード ストリート

小学生2年生からスケートボードを始め、5年生の時に日本スケートボード協会主催の全国大会にて優勝を果たす。

2017年に日本選手権の初代王者として、国内のみならずスケートボードの本場であるアメリカでの大会にも出場。アクションスポーツの最高峰であるX Gamesのストリート種目にて日本人初の優勝を成し遂げた。

2019年にSLSで優勝、その年のX Gamesのミネアポリス大会とノルウェー大会を連覇し、世界中を沸かした。

2021年6月4日に行われた世界選手権では、見事に優勝を遂げた。

 

◆手塚まみ プロフィール

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出場種目:女子スケートボード パーク

6歳の時にスケートボードを始め、幼少期のころは母親と一緒に陽気に滑りを楽しみ、スケーターでもあった父親に励まされながら滑り続けていた。ピアノ奏者でもある手塚のライディングは、あたかも曲を演奏をしているかのようにリズミカルに流れるようにも見えるだろう。手塚のライディングやグラインド音にスライド音から伝わるグッドバイブスは、一緒にスケートをするライダーをも巻き込みスケートボードを楽しもうというセッションに変える。それが手塚の魅力の一つであることは、間違いない。コンテストのシーンにおいても手塚は、爆発する。2019年から参戦しているX Games、2021年に見事シルバーメダルを獲得。「X Games Chiba 2022」ではブロンズメダルを獲得。

◆芝田元 プロフィール

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出場種目:男子 スケートボード バート / 男子 スケートボード バート ベストトリック

10歳のときにスケートボードを始め、わずか2年でプロに転向。80年代のスケートボードの映像からトリックやスタイルを学び、また80年代のようなライフスタイルを貫き通す。13歳という若さでX Games AMAクラスのバーチカル競技に日本人最初のスケートボーダーとして参戦を果たす。2016年と2018年のX Gamesで、シルバーメダルを獲得。2017年X Gamesミネアポリス大会で、日本人初のゴールドメダルを獲得。3年連続表彰台入りという偉業を成し遂げている。2022年と2023年 と連続してX Games Chibaではシルバーメダルを獲得。

◆渡辺元樹 プロフィール

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出場種目:モトエックス ベストウィップ

モトクロス界からFMXに転向した日本期待のホープ。X Games出場は今回が6回目。レースで培ったジャンプテクニックと持ち前のセンスとパーソナリティを発揮し、一気にトップアスリートの一員となった。国内のコンペのみならず2014年から海外のコンペにも精力的に参加し、初海外コンペで3位に入賞という華々しいデビューを飾る。毎年カリフォルニアで東野のもとトレーニングを行い、ニュートリックは他のライダーの追従を許さない速さで習得し続ける。釘村孝太率いる「TEAM THUGWAY」に所属。