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ゴールデンロード:レジェンドたちが拓いた道

公開日: 2024/07/02

栄光を追い求めて:2024年リーグ・オブ・レジェンドeスポーツシーズンで達成困難なゴールデンロードとグランドスラム勝利を目指すGen.Gの不屈の追求

リーグ・オブ・レジェンドのフォロワーなら、「ゴールデンロード」という言葉を聞いた事があるかもしれない。これは、ライアットゲームズ公認の4つのメジャー大会で同じ年に勝利するという偉業のこと。つまり、チームは地域リーグの2つのスプリットで優勝し、ミッドシーズンインビテーショナルで優勝し、ワールドチャンピオンシップで優勝しなければならない、しかもすべてを同じ年に。これはリーグ・オブ・レジェンドの「グランドスラム」と呼べるだろう。ただし、従来のスポーツの世界とは異なり、リーグ・オブ・レジェンドというeスポーツの歴史上、この偉業を達成したチームはない。

ゴールデンロード達成に近づいたチームもある。SK Telecom T1(現在はT1として知られている)は2015年と2016年に、Royal Never Give Up(RNG)は2018年、G2 Esportsは2019年、そして最近ではJD Gamingが2023年に達成しそうだった。しかし、各チームとも一歩及ばなかった。

アスリートのスキルレベルを維持する能力が重要要素となる従来のスポーツとは異なり、リーグ・オブ・レジェンドは常に進化するゲームだ。ゲームは2、3週間ごとにアップデートされるため、メタもアップデートに合わせて変化する。つまり、ゴールデンロード達成をはるかに困難にし、リーグ・オブ・レジェンドのeスポーツは競争が激しくなるばかりである。

しかし、これらの失敗した挑戦者たちがいても、今年、1つのチームがゴールデンロードへの道を進んでいることは明らかなようだ。それがGen.Gの2024年ロスター。リーグで最も難しい地域とよく言われるLCKを支配しているにもかかわらず、Gen.Gは近年、国際舞台になるといつも力が及ばない。しかし、2024年は違うことを彼らは証明している。現在のGen.Gの5人のプレーヤーはいつも世界最高と見なされてきた。しかし今回は、LCKで絶対的優位に立ち続けているだけでなく、彼らにとって初めてのメジャー国際大会ミッドシーズンインビテーショナル(MSI)でついに優勝した。そして、彼らのゴールデンロードへの旅は誰にも邪魔できないように見える。

もはや、トップレーンの無冠の王ではない

KiinはLCKデビュー前から、ファンや評論家から次世代のトップレーナーと見られていた。2017年夏、彼はEver8 Winnersでプロデビューを果たした。当時の有名トップレーナーのほとんど(Khan、MaRin、Smebなど)がトップレーンで実力を発揮するまでに何年もかかっていたが、Kiinがトップレーンの頂点に上り詰め、彼がそこにふさわしいプレイヤーであることを証明するのにそれほど時間はかからなかった。

こうした名声にもかかわらず、チャンピオンシップのタイトルはいつも彼の手の届かないところにあるように思われた。彼が獲得した唯一のトロフィーは、2019年のKeSPAカップだった。しかし、無冠の王者であったにもかかわらず、その名声によって彼は2018年のAsian Games韓国代表に選ばれ、銀メダルを韓国に持ち帰った。誰もが彼が良いプレイヤーであることは知っていたが、金メダルはいつも手が届かない。

しかし、2024年にすべてが変わった。Kiinは春に初の国内タイトルを獲得、直後にミッドシーズンインビテーショナルが続き、ついに手の届かなかった金メダルを獲得した。

「個人的には、スプリングスプリットでの優勝の方が(MSIよりも)大きなインパクトがあった。プロキャリアで初タイトルだったので、その時は『本当にやったの?ついに今回?』という感じだった。優勝したという事実はしばらく経ってから実感した。もちろん、MSI優勝がうれしくなかったわけではないよ。さまざまな地域のチームからさまざまなプレイヤーが選ばれて、韓国生まれではない観客の前で優勝したこととか、MSIではまったく違った感覚だった。MSIのタイトルを獲得したことで自信がついて、今僕らのチームは本当に無敵だって感じる。」とKiinは語った

最も低いレーンから始めてチャンピオンになったKiinは、現在LCKで唯一無二の記録を保持している。彼は順位表で10ランクすべてに入った唯一のプレイヤーだ。もちろん、現在は順位表のトップでフィニッシュすることに彼は集中している。

「自分がそんな記録を持っているなんて気が付かなかったよ。それはクールだけど、2024年の目標は1位になることしかない。今は前を向いて努力を続けることだけだ。」と彼は笑いながら言った。

Gen.Gのボットレーン、元世界チャンピオンによってレベルアップ

2024年に入って、Gen.GはボットレーナーのPeyzを維持し、サポートのLehendsを再び獲得した。このボットレーンによってファンの期待はすでに大きくなっていたが、この2人の実力を実際に目の当たりにして誰もが畏敬の念を抱いた。

Lehendsは、ゲームプレイとチャンピオンのピックの両方で革新してきたプレイヤーだったが、今年はサポート選手がゲームをキャリーするということの意味を正に見せつけた。BLGと対戦したMSIファイナル第2戦では、ブリッツクランクとしてPeyzのカリスタとペアを組み、放った28回のフックのうち19回を成功させた。失敗した9回のフックのうち5回は外れ、4回はBLGがサモナースペルを燃やすか、Gen.Gが小競り合いや集団戦を一掃する結果となった。この試合では特に、Peyzに28回のキルと1回のペンタキルを与え、Lehendsのプレイメーカーとしての手腕が示された。

LehendsはMSIファイナルのMVPに選ばれた。彼はそれにふさわしいというのが一般的な見解だったが、彼自身は困惑していた。

「正直に言うと、MVPに選ばれたときは戸惑った。ただ僕らはみんなこのシリーズに集中していたからかもしれない。トーナメント中は体調が悪くて、無意識にいつもよりパフォーマンスが悪かったと思ったのかもしれない。でも、そのシリーズをもう一度観て、『わかった、今なら理解できる』と言える。」とLehendsは語った

マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)の名言を引用すると、「才能で試合に勝つことはできる、だがチームワークと知性は優勝に導くんだ」ということだ。PeyzとLehendsには確かに才能があるが、MataはGen.Gのボットレーンの隠れたMVPであり、その知性を提供することで貢献している。

「コーチMataの功績も大きい。シーズンの初め、彼はPeyzと僕が無意識に怠っていた基本的なことに焦点を当てることで、Peyzとの相乗効果を生み出すことを助けてくれた。彼の現役時代はサポート選手でもあったから、彼と話すたびに、自分が見逃していたことに気づくたくさんのことがあるんだ。彼は視界のコントロールでよく知られるタイプの選手だったけど、僕は小競り合いを通して勝利条件を見つけるタイプ。視界のコントロールやレーン戦から、集団戦でのポジショニングなどの詳細まで、彼から得たフィードバックは目を見張るものだった。彼は間違いなくGen.Gの隠れたMVPだ。」とLehendsは言う。

スキルギャップ?それともチャンピオンCanyon?

Canyonはキャリアのほとんどを過ごしたチーム、DPlus KIAを去った。4年前と同じように再びトップに立つことができることを証明するには、新たな環境が必要だと感じたからだ。

結果がすべてを物語っている。

Canyonはいつだって、グレイブス、ニダリー、カ=ジックスなどのいわゆる「キャリー」ジャングルチャンピオンの腕前で知られていたが、このカテゴリー以外のチャンピオンでは苦戦していた。しかし、今年はGen.Gのチーム構成に合うチャンピオンならどれでもプレイできることを証明しただけでなく、メタではないポケットピックも取り入れている。MSIファイナル後のインタビューによると、Gen.GのヘッドコーチKIMコーチは、彼らが用意したニッチなピックが多かったと述べている。そしてその発言は真実であることが判明し、CanyonはLCKサマースプリットでザイラジャングルを最近初披露した。

「うん、僕らが用意したユニークなポケットピックがたくさんあったのは本当だよ。ただ、そのいくつかを登場させるのに適したアングルがなかっただけで。僕らは全員で協力して、メタを定義するチャンピオンを見つけようとしている。ザイラに関して言えば、チャレンジャーにザイラジャングルで攻撃したソロキューのプレイヤーがいた。僕はそれに触発され、スクリムで試して、彼女を披露するのに十分だと判断したんだ。」とCanyonは言った。

Chovyにとっては普段と全く変わらない日

Chovyは現在、多くの人から世界最高のミッドレーナーだと言われている。彼は積極的に相手を窒息させてリードを作ることができ、また時間をかけて単純に相手をアウトファームすることができる。彼はリーグ・オブ・レジェンド史上最高のプレイヤーであるFakerに本当に匹敵する唯一のミッドレーナーかもしれない。

シーズン開始前のインタビューでChovyは、偉大な選手と最高の選手を分けるものについて詳細に語った。

「積極的なゲームプレイは常にリスクを負うことを意味する。リスクを負うべきではないという結論に達することは、リスクをとった一つの結果だ...結局のところ、リーグ・オブ・レジェンドは0-0から始まり、ドラフトによるアドバンテージ、ディスアドバンテージがあるかもしれないけれど、ゼロの状態からどこに行くかはすべて、プレイヤーとしての個人のスキルにかかっている。ゲームプレイは常にリスクを負わなければならない。Fakerと対戦したり、彼の試合を見たりして僕は考えた『なぜ彼はこのような重要な試合になるとより良いパフォーマンスを発揮するのか』と。答えは彼のゲームプレイにあり、彼のゲームシナリオがどうであれ、彼はリスクを恐れない。」とChovyは言う。

現在までに話を進めるとChovyはついに初の国際タイトルを獲得した。しかし、彼のマインドセットはこれまでとまったく変わらない。

「(前回のインタビュー)以来、ゲームへの取り組み方に特に変化は感じていない。僕にできることは、懸命に努力を続け、リフトの反対側にいるプレイヤーたちよりも上手くなるためにはどうしたらいいかを考え続けることだけだ。チームと共に、僕らの最終目標はいつだって『どうやって勝つか』なんだ。」とChovyは語った。

レジェンドたちが拓いたGen.Gのゴールデンロード

歴史が証明しているように、リーグ・オブ・レジェンドにはゴールデンロードほど過酷で容赦のない道はない。LCKスプリングとMSIにおけるGen.Gの勝利、そしてLCKサマーでの現在の無敗記録をもってしても、彼らが最終的に道から外れてしまう可能性はまだある。国内外で大勢の非常に強力な対戦相手が彼らを待ち受けており、誰もがGen.Gの物語を上書きしようとしている。

個人として、これらの選手は皆すでにレジェンドになりつつある。彼らは全員、この時点で実力を証明し、個人のキャリアで歴史を作っている。問題は、彼らがさらに一歩進んで、チームとして歴史を作ることができるかどうかだ。