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平野歩夢 村瀬心椛 長谷川帝勝 独占インタビュー: XGames Aspen 2024

公開日: 2024/01/23

現地時間、1月26日から1月28日にアメリカのアスペンで開催される「X Games Aspen 2024 」モンスターライダーの平野歩夢、村瀬心椛、長谷川帝勝が出場!

「X Games」は、夏と冬の年2回開催されるアクションスポーツの祭典で、世界各国から強豪選手たちが集う世界最高峰の大会。

昨年のW杯で大技「トリプルコーク1440」を成功させ優勝した平野歩夢、女子史上初の「BS1440」を成功させた村瀬心椛、5回転半する「1980」を世界で初めて4方向全てに成功して優勝した長谷川帝勝など、世界レベルで活躍を見せた日本人アスリートが登場。

大会に先駆けて歩夢・心椛・帝勝の3名に独占インタビューを実施!

それぞれの大会前の心境や意気込みを下記からチェックしてくれ!

 

今季もモンスターライダーたちの活躍に乞うご期待。

モンスター飲みながら、応援しよう!

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平野歩夢 - Ayumu Hirano

2013年のAspenで初出場したXGamesの印象は?
XGamesは、小さい頃憧れて初めて衝撃を受けた大会だった。いつかこの舞台に立ちたいなっていうのを小さい頃から車の中でDVDを毎日見ていた。その時から10年ほど経った今は、追っている立場から追われるようになり、自分自身との闘いという感覚が強くなってきた。

― 二刀流からスノーボード一本に集中した今、これまでの経験は活かされたか?

今スケートボードに乗っていない時間が増えてきた中で気持ちでは思い出せるが、身体としては離れている感覚がある。スケートボードのハングリー精神をどこかで取り戻さなければいけない。

― 平野歩夢にとってトリプルコークとは?

人間離れした技ですね(笑)ようやく人間離れした技が1つ出たことによって、みんなその先を狙っていくと思うし、そういった進化を求められる世界になった。自分もそこに居続けたいので、そのために生活でも普段の食事でも犠牲にしなきゃいけない。スポーツアスリートの部分がスノーボードに入り込んできたように感じる。

― トリプルコークを超える新技について

常に考えていて、トライしていることはいっぱいあるが、全然辿り着けていない。今まで4年に1個や2個しか大技を覚えてこれなかった。できるかできないかのギリギリのレベルまで持っていくまでに何回も試さないと完成度も上がらないので、本当に厳しい世界になってきている。

― 今後描いてるビジョンはありますか?

この業界をどう発展させるか、というより誰も超すことができない自分にならなきゃいけない気持ちが強い。今まで人の背中を見て学んできたが、誰もたどり着けないところまで自分が行きたい。常に自分のなかで最大限を求め続けて、そこに何か感じてくれる人がいたら嬉しい。
 

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村瀬心椛 - Kokomo Murase

2022北京五輪では銅メダル。好成績をあげながらも苦しめられている印象があったが、昨シーズンを振り返るとどうだったか。

オリンピックが終わってからはプレッシャーに負けて、周りからの期待が少し悪い方向に行ってしまい、昨シーズンなかなかいい成績が出せず、怪我もして・・・というようなシーズンでした。

女性初のBSトリプルコーク1440を成功。優勝を飾った今シーズンまで、どう過ごしたか。

高校を卒業してスポーツ選手としてやっていく中で、怪我を経てスノーボードに対しての気持ちが変わって。楽しく練習しないと絶対上手くはならないと思ってるので 、死ぬほど練習しながらも、楽しみながらスノーボードに取り組んでいました。

スノーボードを楽しみながら上達する。そんな村瀬心椛が目指す「フリースタイルスノーボーディング」とは。

スノーボードはスロープやビッグエアっていうだけじゃない。ハーフもバックカントリーも、すべてがスノーボードだと思っていて。そこだけに囚われたくなくて「もう全部すごいよね 」と 言われるような存在に、これからもなりたいと思っています。「かっこいい滑り」っていうのは譲れないし、男みたいな滑りがしたいと思っています。

女性初のBSトリプルコーク1440 を決め、再び追われる立場になったが、どんな心境か。

自分が競技を終えるまで、怪我なくずっとトップで行き続けたいと思っています。ここで終わりじゃないと思っているので、これからももっと練習していきたい。

勝つための技術的な面と、かっこよさを追求するこだわり。これらを両立することに対して、どんな心境があるか。

回っているだけじゃ自分は自分じゃないと思う。スノーボードは魅せる競技なので、かっこよさはもっともっと追及していかなきゃ、スノーボードじゃないと思っています。

X Games Aspen 2024や、今年20歳を迎えるプロスノーボーダー村瀬心椛として、どんなところに注目してほしいか。

X Gamesでは、スロープスタイルはいろんなセクションがあるので、4方向からの回転やスイッチなどに注目して見て欲しいなと思います。スノーボードはめちゃくちゃかっこよく、日常とはギャップがある。そんな一面もお届けしたいと思っています。

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長谷川帝勝 - Taiga Hasegawa

2021年のAspenで初出場したXGamesの印象は?

小さい頃からずっと夢に見てた憧れの舞台だった。初めて出た時は大きな大会で観客も多く、自分的には緊張していた。怪我してたこともあり、本調子ではなかったが、トップライダーの中で滑れたことは自信にもなり、良い経験になった。

2022年W杯以降、結果を残せるようになったきっかけ

今までは怪我せずに自分の滑りを淡々とセーフティにやりたい、というマインドだったが、2022年のカッパーマウンテンのW杯で大先輩にあたる角野友紀さんにお会いして「なんでそんな上手いのに勝ちにこだわらへんの?」と言われ、そこでハッとなった。「勝てるぞ」と練習しながら思ったところへ自分のベストを出して獲りにいくマインドへ変わった。

今後描いてるビジョンはありますか?

多分10年くらいはコンペしてると思う。コンペで勝ちつつ、自分のスタイルや表現者としての美学を磨いていく。自分のフルパートも作りたいと思っているので、そのためにはまずコンペの結果が大事と思っている。その後にストリートをやりつつ、自分のフルパートを残して、ナチュラルセレクションとかに出て勝てるようになっていきたい。まずは1つ1つ順を追ってやっていきます。

高難易度化するスノーボード競技におけるプレッシャーとの闘い方については?

自分がやりたいと思った時にやるのが一番です。例えば、先日のワールドカップでは1800を回ることに飽きが出てきて、刺激がほしいと思って1980トライしてみた。「やらなければ」となると苦しいので、「1980をやってみたい」「やりたいな」と思った時にやるイメージ。6回転の2160に関しても、やりたいと思った時にトライする形を取りたい。

長谷川帝勝のモットーについて

気持ちは熱く、頭は冷静に。怒りに身を任せてしまうと物事を冷静に分析できなかったり、判断できなかったりする。例えば自分がどんだけいい滑りしてても点が出なくて次のランが残っているなら、一回その怒りは置いといて、次何をしたらどう勝てるのかを考える。一旦頭を冷静にさせるルーティンがあります。

X Games Aspen 2024で注目してほしいところ

XGamesは憧れの舞台で、自分が主戦場として戦っている舞台だと思っているので、どんな相手だろうと倒して、自分がどの種目もその舞台で1番になっていきたい。まずは招待されているビッグエアで優勝して、来年再来年とスロープもナックルハックも出て1つずつ制覇していきたい。Aspenでは4方向1980を決めたい。